今節はベイスターズとハードオフコア新潟で初戦。移動日をはさみ、横浜スタジアムで2戦目と変則日程。第1戦は才木とケイの好投で締まった試合となり、1点差で迎えた9回に高寺のプロ入り初ホームランで同点に追いついて引き分ける。第2戦もデュプランティエとジャクソンの投手戦となり、及川が今季初の自責点となる牧のタイムリーでリードされ、僅差で敗れる。このカードは0勝1敗1分。続いて甲子園球場でカープ3連戦。初戦は村上がいきなり秋山に先頭打者ホームランを打たれ、一度は追いついたが岩崎が打たれて落とす。第2戦はカープキラーの大竹が好投し床田を打ちこみ、岩崎がプロ通算100セーブを記録して首位を奪還。第3戦は中村奨のホームスチール失敗で潮目が変わり、玉村に集中打を浴びせて逆転勝利。このカードは2勝1敗で、今節は2勝2敗1分。今季通算22勝16敗2分で勝率.579で首位奪還。2位カープとは1.5差。ベイスターズが3位に浮上し、今後はこの3チームが軸となってくる予感。
◎ベイスターズ7回戦……1-1
タイガース才木、ベイスターズケイの投手戦。1回表、1死から中野が二塁内野安打。森下が四球で出るも、佐藤輝はショートゴロ併殺。1回裏、桑原と度会のヒットで1死一二塁とされたがねこちらもオースティンをショートゴロ併殺に打ち取る。3回裏、二塁打の林をケイがバントで送り、桑原への四球で1死一三塁に。牧を浅いライトフライに打ち取ると、度会の打席で桑原が二盗し二三塁に。度会を歩かせ満塁に。しかしオースティンをセンターフライに打ち取り切り抜けた。5回表、大山が歩き高寺のバントで二進。梅野が歩いて一二塁に。しかし中川勇はハーフスイングをストライクに取られ空振り三振。才木はライトフライに倒れる。5回裏、林を歩かせ、ケイのバントは才木が二封しようとして悪送球。二三塁とされたが林を空振り三振に取ると度会は左邪飛に打ち取りここも切り抜けた。7回表、佐藤輝のセンター前ヒットと二盗、大山の四球と高寺のバントで1死二三塁とする。梅野は申告敬遠で満塁としたが、代打渡邉は三塁ゴロ。大山が三封されると佐藤輝は三本間にて挟殺。7回裏、山本にレフトフェンスに当たる二塁打を打たれ、代走に石上。代打松尾のセンター犠牲フライで先制される。ケイは7回無失点で交代。8回表、二番手伊勢に対し、2死から中野が歩くも森下は空振り三振。8回裏、新潟医療福祉大出身の二番手桐敷が凱旋登板。三者凡退に抑える。9回表、クローザーの入江から高寺がライトスタンドにプロ入り初ホームランを放ち土壇場で同点に追いつく。9回裏、三番手石井は1死から代打九鬼に左中間を深々と破る三塁打を打たれ、代走に関根。石上を空振り三振に取ると、林を二塁ゴロに打ち取って切り抜け、試合は延長戦に。10回表、四番手ウィックに対し、2死から中野がライト前ヒットを放つも森下の打席で二盗を試み松尾に刺される。10回裏、四番手及川は松尾にセンター前ヒットを打たれ、桑原のバントで二進。牧は申告敬遠で一二塁とし、度会を二塁ゴロ併殺に打ち取る。11回表、五番手宮城の前に、森下、佐藤輝、大山の中軸が三者凡退。11回裏、五番手岩崎は三者凡退に抑える。12回表、ユニフォームを忘れたか六番手坂本裕は117の背番号にFUKUMOTOのネームの入った打撃投手の由良フォームで登板。それでも打撃投手のようには打てず三者凡退。12回裏、六番手湯浅は2死から松尾にショート内野安打を打たれ、藤川監督のリクエスト申請も判定は覆らず。桑原を二塁へのライナーに打ち取り引き分けた。
◎ベイスターズ8回戦……0-1
タイガースはデュプランティエ、ベイスターズはディクソンの投手戦。3回表、木浪がレフト前ヒットで出ると、坂本誠の三塁ゴロで二進。2死後、近本が一塁強襲のヒットで一三塁とし、近本はすかさず二盗。しかし中野は二塁ゴロに倒れる。4回表、森下の死球と佐藤輝の四球で無死一二塁に。大山のレフトフライで森下は三塁を突くも憤死。高寺は投手前に転がる内野安打で一二塁としたが、木浪は二塁ゴロに倒れる。4回裏、牧にライト前ヒットを打たれたが、度会は空振り三振。オースティンの二塁ゴロで牧は二進したが、佐野恵を空振り三振に取る。5回裏、三森と山本を空振り三振に取り、林は歩かせて二盗を許したが、ジャクソンを空振り三振に取る。6回表、中野がライト線に二塁打を放つも、森下は一邪飛。佐藤輝のヒット性の当たりは二塁へのライナーに。大山のショートフライでせっかくの先頭打者の長打を生かせず。デュプランティエは5回無失点で交代。6回裏、二番手桐敷は桑原にセンター前ヒットを打たれるも牧を見逃し三振に取ると、度会は一塁ゴロ併殺。7回表、高寺が歩き木浪の二塁ゴロで二進。坂本誠も四球で一二塁としたが、代打糸原は空振り三振。近本の四球で2死満塁としたところでジャクソンは降板。二番手の伊勢に対し中野は牧の好捕による二塁ゴロで大きなチャンスを逸した。7回裏、三番手石井は三者凡退に抑える。8回表、三番手ウィックにこちらも三者凡退。8回裏、四番手及川は2死から代打九鬼に三塁内野安打を打たれ、代走に石上。桑原の打席で石上が二盗。藤川監督のリクエスト申請も判定は覆らず。桑原を歩かせ、牧にセンター前タイムリーヒットを打たれてついに得点を許す。しかし度会はセンターフライに打ち取り最少失点にとどめた。9回表、クローザーの入江に対し、2死から代打楠本が四球。代走は植田。代打渡邉の打席で植田は二盗。渡邉も四球で代走は梅野。しかし近本の二塁左のゴロは牧の好捕で二塁ゴロに仕留められ、惜敗。
◎カープ7回戦……2-4
タイガース村上、カープ森下暢の投手戦。1回表、秋山翔にライトスタンドに先頭打者ホームランを打たれる。2死後、末包にレフト前ヒットを打たれると、坂倉のライト線へのタイムリー二塁打で2点差とされる。それでも2回以降は立ち直り、カープ打線を寄せ付けない。4回裏、1死からの森下翔の三塁内野安打も、後続を断たれる。7回裏、佐藤輝のレフト前ヒット、大山もレフト前ヒットで一二塁とし、前川のライト前タイムリーヒットで1点差に。坂本のバントで1死二三塁とし、木浪がセンター前にタイムリーヒットを放ち同点に。代打楠本の強い当たりの一塁ゴロは、モンテロが直接一塁ベースを踏んだ後バックホームし、前川は三本間で挟殺と、勝ち越すチャンスで走塁ミスが出た。村上は7回2失点で交代。8回表、二番手の桐敷は1死から秋山翔にレフト線に二塁打を打たれるも、菊池を見逃し三振、ファビアンを空振り三振に取り切り抜ける。森下暢も7回2失点で降板。8回裏、二番手ハーンの前に近本、中野、森下翔が三者凡退。9回表、三番手の岩崎は末包を歩かせ、代走に大盛。坂倉のバントで二進。小園は見逃し三振に取ったが、モンテロのセンター前タイムリーヒットで勝ち越される。近本から中継した中野の返球を坂本が弾きモンテロは二進。矢野の左中間の当たりは近本が飛びつくも捕球できずタイムリー二塁打となり2点差とされる。ここで岩崎は降板。四番手工藤は代打野間を投手ゴロに打ち取る。9回裏、クローザーの栗林の前に佐藤輝、大山は空振り三振。前川はセンターフライに倒れ逃げ切られた。
◎カープ8回戦……5-2
カープの先発は床田。1回裏、近本がライト前ヒットで出ると、中野のバントで二進。しかし森下翔はレフトフライ、佐藤輝は三邪飛に倒れる。2回裏、大山はレフト線に二塁打を放つが、前川と坂本は空振り三振。木浪は二塁ゴロで得点できず。タイガースの先発は大竹。緩急をつけた投球でカープ打線を翻弄する。3回表、2死から中村奨にセンター前ヒットを打たれるも、菊池の打席で二盗を試みた中村奨を坂本が刺す。4回裏、佐藤輝が右中間を破る二塁打で出ると、大山はショートゴロ。前川の二塁ゴロで佐藤輝は三進。坂本が歩き一三塁とし、木浪のセンター前タイムリーヒットで先制する。5回裏、近本のセンター前ヒット、中野のバント、森下翔と佐藤輝の四球で満塁とし大山の打席で床田は暴投、近本が生還し二点差にしてなおも二三塁に。大山の三塁手のグラブを弾きレフトファールゾーンに転がる2点タイムリー二塁打で4点差とする。床田は5回4失点で降板。6回裏、二番手岡本に対し2死から近本がセンター前ヒット。中野の打席で近本は二盗し、坂倉の悪送球で三進。しかし中野は見逃し三振に倒れる。7回裏、三番手鈴木健から佐藤輝がヒットを放つも後続を断たれる。8回表、ここまで完封ペースの大竹は坂倉にライト前ヒットを打たれ、1死後、モンテロにレフトスタンドに来日第1号のツーランホームランを打たれ2点差とされ、ここで降板。二番手石井は代打二俣と代打野間をフライに打ち取り流れを断つ。8回裏、四番手塹江から坂本が四球。木浪のバントで二進。代打渡邉は空振り三振に倒れたが、近本がこの試合5安打目となるレフト前タイムリーヒットを放ち3点差に。9回表、クローザーの岩崎は2死からファビアンらレフト前ヒットを打たれるも末包を二塁へのフライに打ち取り逃げ切った。ヒーローインタビューは5打数5安打の近本、今季初勝利の大竹、プロ入り通算100セーブ、今季11セーブの岩崎。
◎カープ9回戦……3-1
カープの先発は玉村。2回裏、佐藤輝が左中間のフェンスに当たる二塁打を放つ。しかし、大山、高寺、坂本は三者凡退で走者を返せず。3回裏、木浪がライトの頭を越すあわやホームランという三塁打を放つ。しかし、ここも伊原、近本、中野が三者凡退に打ち取られる。タイガースの先発は伊原。3回まで一人の走者も許さず。4回表、1死から菊池にセンター前ヒットを打たれ、ファビアンがセンター前ヒットで続き、近本が三塁に悪送球し二三塁とされる。末包のライトへの犠牲フライで先制点を許す。6回表、中村奨のレフト前ヒットと菊池のバントで1死二塁に。ファビアンの一塁ゴロで中村奨は三進。ところが末包の打席で中村奨が本盗を敢行、本塁で憤死。これで流れが変わる。6回裏、代打前川がライト前ヒットを放ち、代走に熊谷。近本の二塁ゴロで熊谷は二進。中野のレフト前ヒットをファビアンが返球をもたつく間に熊谷が生還して同点に。中野は二進。森下翔のレフト前タイムリーヒットで中野が長躯ホームインし勝ち越す。佐藤輝のライト前ヒットで一三塁とし、ここで玉村は降板。二番手は森浦。大山の打席で佐藤輝が二盗し二三塁とする。大山のショートゴロで森下翔は三本間で挟殺。高寺の打席で大山が二盗し二三塁と攻め立てるも、高寺は三塁へのフライに倒れて追加点はならず。伊原は6回1失点で交代。7回表、二番手の湯浅は三者凡退に抑える。7回裏、三番手の島内から坂本がセンター前ヒットを放ち、木浪のバントで二進。2死後、近本のライト前ヒットで一三塁とし、中野のセンター返しの打球は菊池に好捕されるも菊池はどこにも送球できずタイムリー内野安打となり2点差に。8回表、三番手桐敷は1死から代打野間をショートゴロに打ち取るも木浪が弾きエラーで出塁を許す。しかし、代打堂林を空振り三振、中村奨をライトフライに打ち取り切り抜ける。8回裏、四番手中崎に対し1死から大山が四球。代打糸原はライト前にヒットを放ったかと思われたが、大山が二塁でアウトになりライトゴロ。坂本は投手ゴロに倒れる。9回表、クローザーに石井。三者凡退に抑えて逃げ切り今季初セーブ。ヒーローインタビューは決勝打の森下翔と3勝目の伊原。
愛すれどTigers週間MVP
投手……大竹耕太郎 今季2度目の登板は得意のカープ戦。連敗で首位を明け渡し、嫌な雰囲気になっていたが、この勝利でその流れをせき止めたのは大きい。100セーブの岩崎に……とも思ったが、前日にリリーフ失敗をしているので次点。
野手……中野拓夢 開幕当初はなかなかヒットが出なかったが、やっと本領発揮。近本が打つときはバントで送り、近本が打てないときは自らのヒットでチャンスを作る。カープ戦の連勝はそれが顕著にあらわれた。このまま近本ともにチャンスメーカーとしてチームを引っ張っていってもらいたい。
次節は甲子園球場でジャイアンツと3連戦。岡本和を欠いた打線は、トレードでリチャードを獲得しても埋まりそうにない。甲斐のリードも単調になってきて、ドラゴンズ戦ではなんと元タイガースの山本に2打席連続ホームラン、板山は代打ホームランと打ちこまれることが多く、肩も往年の甲斐キャノンの面影はない。失速気味のジャイアンツからは取りこぼせない。続いてバンテリンドームでドラゴンズ3連戦。鬼門ナゴヤの悪夢の3連敗は記憶に新しい。ぜひその嫌な意識を払拭してもらいたい。
(2025年5月19日記)