今節は甲子園球場での交流戦最終節。まずはマリーンズと3連戦。第1戦は才木ワンチャンスをものにされ逆転負けで7連敗。第2戦は伊藤将が好投しついに今季初勝利で連敗を止める。第3戦はデュプランティエが来日初完封勝利で、このカードは2勝1敗。続いてホークス3連戦。初戦は村上とモイネロの緊迫感あふれる投手戦の末、延長戦で敗れる。第2戦は大竹がゲームを作り、リリーフ陣が好投し、大竹は古巣からの勝利で12球団すべてから勝利する快記録を打ち立てた。第3戦は伊原が味方のエラーから失点しホークスの投手リレーにあと一歩及ばず敗れ、このカードは1勝2敗で、今節は3勝3敗。今季通算38勝30敗2分で勝率.559でリーグ首位を堅守。2位ベイスターズとカープとは3.5差。交流戦は8勝10と惜しくも負け越しでドラゴンズと並んで8位。交流戦優勝はホークス。
◎マリーンズ1回戦……1-3
マリーンズの先発は木村。1回表、近本が歩き、中野の打席で二盗。しかし中野はライトフライ、森下はショートゴロ、佐藤輝は空振り三振に倒れる。2回裏、2死から梅野が誕生日を自ら祝うライト前ヒットを放つも、小幡の打席で二盗失敗。3回裏、2死から近本がレフト線に二塁打を放ち、中野のセンター前タイムリーヒットで先制のホームを踏む。森下は手首に死球。それでも試合には出続ける。一二塁としたが佐藤輝はまたも空振り三振。タイガースの先発は才木。4回まで二塁を踏ませぬ好投を続ける。5回表、藤岡を歩かせ、1死後、高部の二塁ゴロで二封したが一塁は併殺崩れに。藤川監督のリクエスト申請も判定は覆らず。代打西川の右中間の当たりは近本が疾走して好捕。木村は4回1失点で交代。5回裏、二番手は高野脩。小幡がセンター前ヒットを放ち、才木のバントで二進。近本の一塁ゴロで三進。しかし中野は空振り三振で追加点は取れず。6回表、1死から寺地にセンターの頭を越す二塁打を打たれ、池田のショートゴロで三進。しかし山本を空振り三振に取り切り抜ける。7回表、安田と藤岡の連続ライト前ヒットで無死一二塁とされ、友杉のバントで二三塁に。高部の投手へのライナーは才木の右腕に当たるも、ボールを拾った才木は三塁走者安田を三本間に追いこみ、挟殺。才木はいったんダグアウトに戻り治療。2死二三塁で再開。代打角中にまたも投手強襲のタイムリー内野安打を打たれ、同点に。藤原の打席で角中が二盗。藤原のレフト前2点タイムリーヒットで勝ち越しを許す。ここで才木は降板。二番手富田は寺地をショートゴロに打ち取り、反撃を断つ。7回裏、三番手横山の前に三者凡退。8回表、三番手は木下。1死から山本を歩かせ安田の二塁ゴロで二進されるも藤岡をショートゴロに打ち取る。8回裏、四番手鈴木昭から坂本誠がレフト前ヒットを放つも近本のショートゴロは併殺に。中野は外角のボールを見極め一塁に歩こうとしたが判定は見逃し三振。9回表、四番手桐敷は三者凡退に抑え打線の反撃を待つ。9回裏、クローザーの中森の前に森下は三塁へのフライ、佐藤輝は見逃し三振、大山は空振り三振に倒れ、逃げ切られる。この試合、中軸にヒットはなし。これでは得点できないのも仕方なし。連敗は7にのびる。
◎マリーンズ2回戦……8-1
タイガースの先発は伊藤将。1回表、藤原のショートゴロを小幡が一塁へ悪送球し、藤原は二進。寺地のショートゴロで三進。池田を浅いショートフライに打ち取ると、山本は三塁ゴロで切り抜けた。マリーンズの先発は田中晴。1回裏、近本が一塁線の鈍い当たりの投手前内野安打で出ると、中野のバントで二進。しかし森下はライトフライに倒れ、佐藤輝は歩いて一二塁としたが、大山はレフトフライに倒れる。2回表、安田にセンター前ヒットを打たれたが、藤岡の打席で見逃し三振の間に二盗を試みるも坂本誠が刺す。西川はセンターフライ。2回裏、1死から坂本誠がレフト前ヒットで出ると、小幡もレフト前ヒットで続くが、伊藤将はバントを失敗しヒッティングに切り替えるも投手ゴロ併殺に倒れる。3回表、友杉がレフト前ヒット。しかし田中晴の打席で二盗を試みるもまたも坂本誠が刺す。2死後、藤原にセンター前ヒットを打たれるも、寺地の打席で藤原を牽制球で釣り出し二塁でタッチアウト。3回裏、近本が歩き、中野のバントで二進。森下の打席で近本は三盗。森下のライト前タイムリーヒットで先制する。佐藤輝もライト前ヒットで続くが、大山は空振り三振、糸原はショートゴロで追加点は取れず。5回表、1死から藤岡にライト前ヒットを打たれると、西川の左中間の二塁打で藤岡は一塁から一気に本塁を突くも、好返球で憤死。友杉は申告敬遠。田中晴は二塁ゴロに打ち取り切り抜ける。5回裏、近本がライト前ヒットで出ると、中野の打席で田中晴は暴投し近本は二進。さらにこの打席二度目の暴投で近本は三進。中野のライト前タイムリーヒットで2点差とする。森下の打席で田中晴はまたも暴投。中野は二進。森下が歩き、佐藤輝の空振り三振の後、大山のレフト前タイムリーヒットで3点差に。ここで田中晴は降板。二番手八木から糸原のライトフライで森下は三進。しかし坂本誠は見逃し三振で大量点は取れず。6回表、1死から寺地と池田、山本の連打で満塁とされ、安田のセンター犠牲フライで2点差とされる。6回裏、三番手菊池から小幡がライト線へ二塁打を放つが代打木浪はバント失敗後空振り三振。2死後、中野が歩いたが森下は右邪飛に倒れる。伊藤将は6回1失点で交代。7回表は二番手ネルソンが三者凡退に抑える。7回裏、四番手益田の前に三者凡退。8回表、三番手及川も三者凡退に抑える。8回裏、五番手ゲレーロを襲う。レフト前ヒットの坂本誠を小幡が送り、代打前川の一塁ゴロで坂本誠は三進。近本のレフト前タイムリーヒットで再び3点差に。中野の打席で近本が二盗。中野のライト前タイムリーヒットで4点差とすると、森下の左中間を破るタイムリー二塁打で5点差に。佐藤輝のバックスクリーン左に入るツーランホームランでとどめを刺し7点差に広げる。9回表、四番手富田は2死から藤岡にライト前ヒットを打たれるも西川をセンターフライに打ち取り締めくくって連敗を止めた。ヒーローインタビューは今季初勝利の伊藤将と、先制打を含む2打点の森下。
◎マリーンズ3回戦……2-0
タイガースはデュプランティエ、マリーンズは種市の投手戦。1回表、2死から池田にレフトの頭を越す二塁打を打たれるも山本を二塁ゴロに打ち取る。1回裏、近本が二塁へ内野安打。中野のバントと森下の二塁ゴロで三進。佐藤輝は四球で出、二盗。しかし大山は見逃し三振で先制点は取れず。3回表、レフト前ヒットの友杉を種市が送り、藤原の一塁ゴロで2死三塁とされたが、寺地を二塁ゴロに打ち取る。3回裏、2死から中野が三塁へ内野安打。森下の打席で二盗し、森下は四球。佐藤輝も歩き満塁としたが、ここも大山は空振り三振でまたも先制機を逸する。4回裏、小幡と坂本誠がセンター前へ連打し、デュプランティエのバントは種市が三塁へ悪送球し満塁に。近本のレフトへの犠牲フライでついに先制。6回表、種市、藤原、寺地が三者空振り三振。6回裏、1死から坂本誠のレフトの頭上を越す二塁打と糸原の一塁ゴロで2死三塁とするもデュプランティエは投手ゴロに倒れる。7回表、池田、山本、安田も三者空振り三振。7回裏、1死から中野が歩き、森下は手首に死球で一二塁に。佐藤輝は空振り三振に倒れたが、大山のセンター前タイムリーヒットで2点差に。種市はここで降板。二番手小野から小幡のレフト前ヒットで満塁としたが、坂本誠は空振り三振に倒れて大量点はならず。8回裏、三番手は菊地。糸原が歩き代走に熊谷。デュプランティエのバントで二進。近本の一塁ゴロで三進し、中野は四球。森下の打席で中野は二盗。しかし森下は空振り三振で追加点は取れず。9回表、藤原にレフト前ヒットを打たれたが、寺地、代打ソトは連続見逃し三振。山本は空振り三振でデュプランティエは来日初完投、初完封。ヒーローインタビューは先制犠飛の近本、好リードとマルチ安打の坂本誠、3勝目をあげたデュプランティエ。
◎ホークス1回戦……1-2
タイガースは村上、ホークスはモイネロの投手戦。1回表、1死から佐藤直にレフト前ヒット、柳町にライト前ヒットを打たれ、中村を歩かせ満塁に。栗原の三遊間の当たりは小幡が好捕し二封。しかし一塁は併殺崩れでセーフとなり、佐藤直が生還して1点先制される。1回裏、2死から森下はショートゴロ。しかし野村の送球がそれ、一塁中村の足がベースから離れてセーフに。小久保監督のリクエスト申請も判定は覆らず。しかし佐藤輝は空振り三振に倒れる。2回表、牧原大にライト線に二塁打を打たれたが、海野のセンターライナーは近本が頭から飛び込んでアウトに。牧原大は飛び出していて近本が二塁に返球し併殺となる。2回裏、1死からヘルナンデスがレフト前に落ちるヒット、坂本もレフト前ヒットで続き一二塁とし、小幡のライトフライでヘルナンデスは三進。しかし村上はレフトフライで同点にはならず。4回表、2死から野村に二塁打を打たれるも牧原大は空振り三振。4回裏、ヘルナンデスと小幡のヒットで2死一二塁とするも、ここも村上は二塁ゴロで得点できず。5回裏、近本と中野が連続でレフト前ヒットを放ち、2死後、大山悠のセンター前タイムリーヒットで同点とする。センター周東の好返球も、近本の足が勝った。7回表、1死からまたも野村に左中間を破る二塁打を打たれたが、牧原大はショートへのフライ。海野の打席で村上が暴投し野村は三進。しかし海野を空振り三振に取り切り抜ける。モイネロは6回1失点で交代。7回裏、二番手松本裕に対し1死から中野が猛打賞となるレフト前ヒットを放ち、森下は空振り三振に倒れたが、佐藤輝はライト前ヒットを放ち一三塁とする。大山悠の打席で佐藤輝が二盗。しかし大山悠は空振り三振で得点できず。8回裏、二番手藤井の前に三者凡退。村上は8回1失点と好投したがここで交代。9回表、二番手岩崎は三者凡退に抑える。9回裏、四番手杉山に対し1死から近本が一塁前にゴロを打たされたがベースカバーに誰も入れず内野安打に。中野のバントで二進。森下の打席で海野は捕逸し近本は三進。しかし森下は見逃し三振で試合は延長戦に。10回表、三番手は及川。野村の二遊間の当たりは中野が好捕するも野村のヘッドスライディングが一瞬早く内野安打に。牧原大のバントで二進。代打嶺井の二塁ゴロはまたも中野が好捕し二塁ゴロとなり、野村はその間に三進。代打石塚の右中間を破るタイムリー二塁打で勝ち越される。石塚は二塁をオーバーランしベースカバーの大山悠のタッチも一瞬遅くセーフに。藤川監督のリクエスト申請も判定は覆らず。石塚の代走に緒方。周東は歩かせ一二塁とされたが、佐藤直は三塁ゴロで三封。10回裏、五番手津森に対し1死から大山悠がセンター前ヒットを放ち代走に植田。しかし代打糸原は空振り三振、坂本はセンターフライで逃げ切られた。村上とモイネロの投手戦は見ごたえがあった。
◎ホークス2回戦……3-0
ホークスの先発は上沢。1回裏、近本がレフト前ヒットで出ると、中野がバントで送り、森下は左の脇腹に死球で一二塁に。佐藤輝のレフト前先制タイムリーヒットで1点差とし、大山悠が歩いて満塁に。小幡はセンターの頭を越す2点タイムリー二塁打を放ち3点差とする。タイガースの先発は大竹耕。 2回裏、中村のショートゴロを小幡が弾いてエラーで出塁を許したが、栗原をショートゴロ併殺に打ち取り、嶺井は一塁ゴロに打ち取る。3回裏、1死から大山悠が歩き、小幡の投手ゴロは上沢の二塁への悪送球で一二塁に。しかし坂本は三塁ゴロ併殺に倒れる。4回表、野村のショートゴロを小幡が手からこぼしエラーで出塁。1死後、柳町のライト前ヒットで一二塁に。しかし中村をレフトフライに打ち取ると、栗原の三遊間の当たりを小幡が好捕してショートゴロに打ち取る。4回裏、高寺がライト前ヒットを放ち、大竹耕がバントするも二封。2死後、中野のライト前ヒットで一二塁としたが、森下はライトフライに倒れる。大竹耕は5回表までホークス打線を手玉に取っていたが、6回表、代打川瀬に2球投じたところで指をつって降板。二番手は桐敷。川瀬、野村、佐藤直を三者空振り三振に取り、緊急登板を鮮やかに決めた。上沢は5回3失点で降板。6回裏、二番手川口に対し坂本と高寺は連続空振り三振に倒れたが、代打前川はレフト前ヒット。代走の熊谷は二盗を試み刺される。7回表、三番手及川は三者凡退に抑える。7回裏、三番手にはジャイアンツから移籍の大江。2死から森下が歩き二盗を決めるも佐藤輝は見逃し三振。8回表、四番手ネルソンは嶺井と牧原大の連打で無死一二塁とされたが、代打石塚を見逃し三振、川瀬を空振り三振、野村をライトフライに打ち取り切り抜ける。8回裏、四番手伊藤優から大山悠が歩くも小幡は二塁ゴロ併殺。坂本も歩いたが高寺は二塁ゴロ。9回表、クローザーの岩崎は佐藤直にセーフティバントを決められ一塁内野安打を許すが、柳町をセンターフライ、中村を三塁ゴロに打ち取り2死二塁に。栗原のセンター返しの打球は岩崎のグラブを弾いて内野安打となるが、嶺井を三塁ゴロに打ち取り完封リレー。岩崎は14セーブ。ヒーローインタビューは先制打の佐藤輝、3勝目が史上21人目となる全球団勝利となった大竹耕、緊急リリーフを三者三振に決めた桐敷。
◎ホークス3回戦……1-3
タイガースの先発は伊原。1回表、1死から野村にレフト前ヒット、柳町にライト前ヒットを打たれ一二塁とされるが、中村をレフトフライに打ち取ると、栗原は見逃し三振で切り抜ける。4回表、2死から栗原の二塁ゴロは中野がこぼしてエラーで出塁。石塚の三塁ライナーはヘルナンデスのグラブを弾くエラーで二三塁に。ダウンズにはレフト前2点タイムリーヒットを打たれ先制される。返球の間にダウンズは二進。海野は申告敬遠。松本晴をレフトフライに打ち取り追加点は許さず。ホークスの先発は松本晴。3回までは抑えられていたが、4回裏、2死から森下が歩き、佐藤輝のレフト線の二塁打とレフト石塚の後逸で森下が生還して1点差に。しかし大山悠は空振り三振で同点機を逸する。松本晴は5回1失点で交代。6回裏、二番手津森は1死から中野の頭部に死球。津森は危険球退場。三番手は大山凌。中野はなんとか歩いてダグアウトに戻ったが、代走に植田。2死後、佐藤輝の打席で植田は二盗。しかし佐藤輝は一塁ゴロに倒れる。伊原は6回2失点で交代。7回表、二番手桐敷は三者凡退に抑える。7回裏、四番手松本に対し大山悠がレフト前ヒット、高寺がライト前ヒットで一三寧に。しかし小幡は浅いレフトフライに倒れ、ここで大山悠の代走に熊谷。坂本のバントは投手前に転がり熊谷は動けず、高寺のみ二進。代打糸原はセンターフライで絶好のチャンスを逃した。8回表、三番手富田は周東のライト前ヒットと野村のバントで1死二塁とされ、柳町は見逃し三振に取ったが中村に左中間を破るタイムリー三塁打を打たれて2点差とされた。8回裏、五番手藤井の前に近本、植田は空振り三振、森下は見逃し三振に終わる。9回表、四番手木下は三者凡退に抑える。9回裏、六番手杉山に対し2死から高寺がショートへの内野安打、小幡の打席で杉山が暴投し二進したが、小幡は空振り三振で交流戦最終戦を勝利で飾れず。
愛すれどTigers週間MVP
投手……伊藤将司 前回の好投に続き、今回も好投。しかも7連敗中のチームを救う勝利。昨シーズンから苦しんだが、ついに復活。リーグ戦再開後もローテーションの一角を守ってくれそうだ。次点は来日初完封のデュプランティエ。
野手……小幡竜平 打撃不振の木浪に代わりショートの定位置をキープ。特に守備ではファインプレーが多く、投手陣を助けた。課題だった打撃も打席数を重ねることで向上し、打率も上がってきた。このままショートの定位置を確保できるか。
次節は予備日で4日間あけ、リーグ戦再開は神宮球場でのスワローズ3連戦。交流戦最下位といいところのなかった相手だけに、リーグ戦再開で弾みをつけるには絶好の機会。ここからオールスターまでどれだけ2位以下に差をつけられるか。ただ、石井に続いて中野が頭部死球を受けてしまい、果たして試合に出られるのかまだ不明なのが気になる。目下リーグの首位打者争い、そして最高出塁率トップで、守備も名人球になってきている替えのきかない選手だけに、死球の影響がどれだけあるか気がかりだ。石井ともどもスワローズ戦には無事に出場してもらいたいものだ。
(2025年6月23日記)