読書感想文


綾波隊、インド洋作戦!!
兵隊元帥欧州戦記 4
林譲治著
学習研究社 歴史群像新書
1997年12月24日第1刷
定価760円

 「出撃!伊号第三◯潜、マルタ島陸海攻略作戦!!」に続くシリーズ第4巻。
 叩きあげの士官が活躍する姿を描いた本シリーズも4冊目。各巻ごとに場面や時期、人物が変わるこのシリーズだが、そういう構成をとることにより、戦場における人間の営みなどをきめ細かく描くことに成功している。
 本巻では特設巡洋艦という商船を改造した”憂国丸””奉公丸”に乗り込む人物たちが、イギリス通商艦隊を破壊するなかで起きた戦いをとりあげている。
 ここにでてくる人々の人間臭さがこのシリーズの特色だろう。皇国のために撃ちてし止まんというプロトタイプの軍人像からは大きく離れた職能集団がここにはいる。”兵隊元帥”に着目した作者の意図はまず成功しているといえるだろう。
 ところで作者はコント”シティーボーイズ”のファンなのだろうか。大竹、斉木、きたろうのトリオが登場して活躍する。わかる人にはわかるネタやね。
 わかりやすいのは”綾波”へのこだわりだ。「亜欧州大戦記」もそうだが、こちらの出典はすぐにわかります。

(1998年3月21日読了)


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