ぼやき日記


3月11日(金)

 夜、テレビで「NHK上方漫才コンテスト」を見る。漫才の新人賞としては古い歴史のある賞で、それだけに期待して見た。
 私と妻は「なすなかにし」の安定した話芸、「つばさ・きよし」の古典的なしゃべくり漫才に票が集まると見た。「千鳥」と「南海キャンディーズ」は今日の漫才は彼らのベストフォームやなかったから、最優秀賞は難しいと感じた。「NON STYLE」はABC新人コンクールの時よりも非常によくなっていたけど、出場8組の中で見たら賞には届かんかな。一番おもろなかったのは「レギュラー」で、何をしゃべっているのかわかりにくい上に、間もネタもこなれてへん。CMに出演したりして人気の出ているコンビやねんけど、実力的には苦しい。私は、このコンビこそ30年ほど昔のスタイルのほのぼのしたアホとボケのとんちんかんなやりとりをやらせてみたいコンビやと思うねんけど、いいブレーンがついてへんのか、自分らの個性に合うた漫才をやってへんと感じている。
 さて、結果発表。なんと最優秀賞は「レギュラー」! これには驚いた。本番の漫才をやっている時に、審査員たちの誰一人としてコメントをしてなんだのに。漫才の間の審査員の評では「つばさ・きよし」と「なすなかにし」がべたほめやったのに。優秀賞は「千鳥」と「つばさ・きよし」。理解し難い結果となった。「レギュラー」のファンの方には悪いけど、今日の漫才のできは8組の中でも一番笑えなんだのですよ、私には。
 なんか、吉本興業がこれからイチ押しで売り出そうとしている新人コンビに箔をつけようとしてるのかという、作為的なものさえ感じてしもうた。「なすなかにし」は松竹芸能やしな。BKのプロデューサーも紅白歌合戦のプロデューサーと同様、なんか裏で×××××てるのと違うかとかんぐってしまう。
 しらけた気分で新聞のテレビ欄を開いたら、番組欄でとりあげている漫才師の名前は「千鳥」、「南海キャンディーズ」、「レギュラー」の3組。みんな吉本興業が今売り出そうとしているコンビ。そして、このうち2組が賞を手にしている。これが何を示すのか。
 下衆の勘ぐりはやめよう。きっと、「レギュラー」のネタは私の笑いのツボと波長が合わんだけなんや。そう思わんと、釈然とせんのよ。いやほんま。

3月12日(土)

 昼間、野球のオープン戦を録画予約し、安心して昼寝していたら、起きた時に妻から途中でHDDレコーダーがフリーズしてしもうたということを知らされた。妻のおかげで野球は後半1時間だけ録画されたのを見ることができたけど、なんか冷や冷やもんやなあ。というわけで、おいておきたい番組でDVDに焼くことのできるものをせっせと保存。特に、教材用に録画しておいたドキュメンタリー番組なんかはちゃんと残しておかんと、後で悔やむことになるし。
 それにしても、HDDレコーダーはまだ製品としては危ういのかもしれんなあ。今回は風通しがええようにずっと気をつけてるんやけど。もっとも、朝から先週ためこんでいたアニメなどをずっと見ていてほとんどつけっぱなし状態やったから、その影響もあるんかもしれんけど。2時間見たら30分休めるというような、子どものしつけみたいな習慣をつけておくべきか。そやけど、明日から相撲も始まるし、毎日フル稼動ということになるからなあ。なかなかそういうわけにもいかんよなあ。
 というわけで、残したいものは極力早めにDVDに保存しておくことにしよう。

3月13日(日)

 五代目桂文枝師匠の訃報に接する。享年74。死因は肺ガン。
 ああ、来るべきものがきたという感じやろうか。大阪の「はんなり」というニュアンスを説明しようとしても口ではよう言われん。文枝師匠の落語を聞いてもろうたら、それでわかってもらえたと言うたらええやろうか。やわらかい口舌、女性を演じる時の色気、アホな人物を描く時の無邪気さ。これは「上方落語四天王」の、他の3人にない独特のものやった。
 例えば「三枚起請」の男をだます女郎。憎々しげに描写することも可能やったやろうけど、文枝師匠にかかると男を手玉にとらんわけにはいかん女郎の哀しみみたいなものがそこはなく漂うてきた。だまされる男たちの可愛げも絶品やった。
 生で見た最後は一昨年の11月。学校の落語鑑賞会で、ネタは「鹿政談」やった。お奉行が現れた時のぴんと張り詰めた緊張感は、ふだん落語を聞かん人にもその芸の力を感じさせた。立て弁の流暢さは、様式美を感じさせた。噛んで含めるように聞かせる米朝師匠、一言一句を正確にたどる春團治師匠と、その個性の違いを楽しむことができた。
 これで、「四天王」のうち、2人目がこの世を去ったことになる。先に逝った六代目松鶴師匠を「兄貴」と慕っていたという。飲み仲間がいてへんで寂しくなった六代目が「はよ来んかい」と呼んだんやろうか。
 「四天王」全ての芸をじかに見ることができた私たちは幸せやった。最後まで枯れることなく艶のある落語を聞かせてくれた文枝師匠に感謝したい。
 謹んで哀悼の意を表します。

3月14日(月)

 ライブドア社のホリエモン社長がなんでああも老人たちに嫌われるのか。ちょいちょい妻と話をするんやけれど、つまりはあの容姿にあるんやないやろうかという結論に達することが多い。もちろん不用意に相手を刺激する発言内容にも問題はあるとは思うけど、それだけやったらああも蛇蝎のごとき嫌われ方はせんのやないかと思う。
 小太りなのが、なんかだらしなく見える。Tシャツ姿なんで、その小太りのスタイルがくっきりと見えてしまう。口元をとがらせてしゃべるのも生意気そうに見える。少し上目遣いに視線を持っていくのは、小狡く見える。
 人を外見で判断したらあかんとはいうけれど、外見は大事ですよ。
 私は長年鼻下にヒゲをたくわえていた。それをそりおとしてから3年たつ。にもかかわらず、SF関係者に合うと、「ヒゲがないから誰かわからなかった」と言われるんですわ。それだけ鼻下のヒゲは初対面の相手には印象的にうつるんですな。これで頭をまるめて眼鏡を外したら、ほんまに誰かわからんようになるんやないか。
 そういう意味で、ホリエモン社長は絶対損をしてると思う。もしオダギリジョーのような容姿やったら、同じことを言うていてもめちゃくちゃ印象が変わってたに違いない。いや別にオダギリジョーやなくてもええんですけど。山田孝之みたいな容姿やったらものすごく可愛がられてるかも。まあ、田中幸太朗でもかまわんのですが。
 というわけで、ホリエモン社長には次回テレビ出演する時には玉虫色のスーツを着て頭を剃りあげ、銀色のサングラスでもしてくることを提案したい。ますますうさんくさく見えて、逆に何を言うてもまともにとってもらえんようになり、その隙を突いて大胆な勝利を勝ち取ることができるかもしれんぞ。今さら遅いですか。

3月16日(水)

 昨日は終業式。次にクラスの生徒たちと公式に会う時、彼らは3年生になっているのですなあ。まあ、これで一区切り。昨晩は学年の先生たちで打ち上げの飲み会。ほっと一息といきたいところなんやけれど、年度が終るまでに作成せんならん書類もありまして、今日は一日事務仕事。

 客商売というのは何なんですかなあ。私は学生時代ずっと百貨店でアルバイトをしていて、お客様が無理難題を申しつけてきても、平身低頭で少しでもそれにおこたえするようにと教わったもんですが。
 なんでこんなことを書いているかというと、私が3年間組んで仕事をしていた演劇関係の先生の授業が今年度で終了したんで、その先生を囲んでこれまでこの授業を受講した生徒たちに声を書けてねぎらう茶話会を開こうと企画しているんですね。その生徒たちは卒業生もいれば在学生もいる。そやから居酒屋で打ち上げというわけにはいかん。いろいろと都合もあって土曜日の昼に行うことにしたから、ファミリーレストランが適当ではないかと思い、なるべく勤務校に近いところにあるファミリーレストランをネットなどで探した。なんとか条件にあうところがあり、電話で席を予約しようとしたら、店長でないと答えられんという。一昨日の夜、店長がいてると指定された時間に電話したら、どんな席がええか直接見に来いという。しかも、今日の午後6時頃と時間まで指定してますわ。なんで客が呼びつけられなならんかなと思いつつも、仕事を終えてからわざわざそのレストランに行く。
 30歳にもならん若い店長が人を10分も待たしてから出てきて、土曜の午後1時30分頃は客が多いから、時間を下げてほしいという。こっちにも都合があるから2時くらいならと応じる。すると、その時間ではそれ以前に来ている客が長居をしたら席を確保する保証はでけんとぬかす。15人分の席を長時間使われたくないという意図が見え見え。つまりは体よくお断りしたいんやろうけれど、のらりくらりと難癖をつけて私の口からあきらめさせようという腹でありますね。
 むろん、もう断わった。午前中ならいけますが、てなことを言うからな。最初の電話ではっきり言えよ。「土曜日は御予約は受けつけられません」とね。わざわざ呼びつけといて客から断わらさせようという、この根性。そこまでしてそのファミリーレストランにこだわらんならん必要もないしなあ。
 もし、その時間帯に客が来なんだら、その店長は15人確保できる客を逃したことになる。そういう客商売があるかしらん。そら向こうには向こうの都合もあるやろう。そういう時には最初から「ご希望には沿いかねます」という言い方があるでしょう。こちらから断わったという形をとらせたいがためにわざわざ呼びつけたりのらくらとああ言えばこう言うを繰り返したりしてるとしか思われん。そういう客商売があるかしらん。
 そのレストランチェーンの本部には一応メールを送って、全体がそういう方針なのか質問してみる予定です。今回のことで心証が非常に悪くなったからね。私はガストは絶対に何があっても入らんぞ。自分の給料はお客の財布から出るのじゃ。その財布をわざわざしまわせるという客商売があるんですなあ。
 ほんま、客商売は、20年前とはその概念が変わったんでしょうかなあ。

3月17日(木)

 昨日の日記で書いた通り、ファミリーレストランのチェーンに営業方針に関して問い合わせてみた。すると、私の自宅に当事者である店長からわびの電話がきた。なるほど。苦情には謝ったらそれでええという営業方針なんですな。私は別に店長に謝ってほしくはないんですな。お客のことをグループ全体でどう考えているかを教えてほしかっただけなんですな。これやったら私は単なるクレーマーで終るやないですか。すかいらーくグループは、こんなことしてたら早晩つぶれまっせ。いやほんま。
 再度メールで私の真意を伝えようかとも考えたけれど、アホらしいのでやめ。そんなことに労力を使うくらいなら、本の一冊でも読んだ方がよほど自分のためになる。まあ、すかいらーくというグループの体質が明らかになったことでよしとしましょう。
 それにしても、謝罪したらそれでええという発想が、この時代に通用すると思うてるのは笑わせよりますなあ。「こうしたことが今後ないように努力をしたいと考えております」、か。ところで、「こうしたこと」とは何をさすのか。代名詞は頻発するけど、そのまえに具体的な事柄を言わんもんやから、いったい何について謝罪しているのかさっぱりわからなんだ。謝罪はしているけど、それは上から言われたから形だけ謝罪しているだけであって、客に対する気持ちはまったく入ってへんのですな。いや、ようわかりますなあ。
 そんな店長、まともに相手してられるかいな。

3月18日(金)

 昨日、眼鏡のフレームが真ん中から折れた。1998年9月16日の日記に購入したことが書かれている。6年半、つるの部分が折れてつけなおしてもろうたこともある。最近はレンズのコーティングが端からはがれてきたりして、そろそろ寿命かなあと思うていたら、とうとう暇をやらねばならんことになった。
 小雨が降る中を原チャリで走って、マンションに着いてから布でレンズについた水滴をぬぐったら、そんなに力を入れてたわけでもないのに真ん中のところがぐにゃりと曲がり、あわててもとに戻そうと力を入れたらぽきっといった。
 「こむさでもーど」の上等のフレームでしたが、ここまで毎日使うてきたんやから、成仏してもらうことにした。化けてでんといてね。
 で、2000年11月6日の日記に購入したことを書いた外バネ式の眼鏡をかけている。予備の眼鏡を作っておいてよかったのう。とはいえ、この眼鏡は養護学校の生徒がとりあげて投げたりすることを想定して作った丈夫やけれどデザインは味もそっけもない銀縁眼鏡。妻にはいたって不評であります。
「眼鏡屋にいっといで」。
 そう勧められてるんやけどね。確かに「こむさでもーど」の眼鏡をかけてる時とは違いいかにも先生というかたーい感じに見えるからなあ。新調しようかな。あんまり高いのもなんやけれど、私にとって眼鏡は顔のパーツの一つでもあるしね。さてさてどうしようかな。

3月19日(土)

 外バネ眼鏡はけっこう重くて軽い「こむさでもーど」に慣れてたからやっぱり疲れる。というわけで、新しい眼鏡を作りに行きました。
 妻に教えてもろうたええもんが安い眼鏡店が鴫野にあるというので、原チャリで出かける。場所は大阪市の区分地図で確認をし、道順もおおむねわかったけれど、非常にややこしい場所にあってけっこう迷う。それでも、なんとかタウンページに書かれていた住所の場所までたどりついた。
 店らしいものはないぞ。文化住宅やら公演やら大学の研究室の別館みたいな建物やらはあるけど。眼鏡屋の看板がでかでかと出ているわけでもないしなあ。待てよ、あの別館風の建物をよう見ると、検眼表がはってあったりするやないか。あ、ごく普通の親子連れが入っていったぞ。あれらしい。商売気があるのやらないのやら。
 店員の対応は、売らんかなという姿勢もなく好感がもてた。いくつか出してもろうたフレームから気に入ったものを選び、レンズの種類も決定。引き渡しは1週間後の予定。
 こんなわかりにくい場所にあるというのに、お客さんが途切れることなくやってきている。ということは、口コミなどで評判が知れ渡っているという可能性が高い。信頼できそうな感じの店やぞ。
 もっとも、眼鏡だけは実際にできあがったものをかけてみんとわからんからな。早くできあがってこんかなあ。わくわく。

 明日の日曜日は「たちよみの会」です。今月は事情で15時30分ごろに書店へ移動する予定ですんで、ご注意下さい。

 明日は都合で更新ができません。次回更新は月曜深夜の予定です。


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