ぼやき日記


10月21日(水)

 いやあ、浅学非才といいますか、私は知らなかったんですが、「ウルトラマン」のハヤタ隊員と「ウルトラマンティガ」のレナ隊員は親子やったんですね。
 役柄の設定のことやないんです。ハヤタを演じた黒部進さんとレナを演じた吉本多香美さんが実の親子やったということ。
 知らんかったんは私だけなんやろなあ。くわしい人はいっぱいいるもんなあ。なんで誰も教えてくれへんかったん。いじわる。
 苗字が違うのはお父さんが芸名なんやからしかたないけど、顔は全然違うやんか。
 なんでわかったかというと、今日本屋で『ハヤタとして、父として』(扶桑社刊)という黒部氏の自伝をみつけたら、帯に「ハヤタからレナへ」とでっかく書いてあり、思わず手にとってぱらぱらとめくったら「ハヤタとレナの父娘対談」なんてのが載っていたから。
 感想は読んでから読書感想文のページに書くけど、対談なんか「ウルトラマン」撮影今昔比較といったおもむきがあって面白そうやね。
 まあ、「ウルトラマン」といっても途中で空白期は何度もあるし、初代が出てきてから30年以上もたつんやからこういうことがあってもおかしくない。うーむ、レナ隊員というのはそれまでの女性隊員とはいささか位置付けが違うなあと思っていたが、実は特別扱いされるべくして選ばれた配役やったんや。
 親子で同じシリーズに出た俳優というのはどれほどいるもんなんかなあ。市川右太衛門と北大路欣也の親子がどちらも「旗本退屈男」で主役を演じているという例はあるけど、リメイクやからシリーズというのとはちょっと違うし。TV「まんが道」で石森章太郎の役を実の息子が演じたというのも、違うなあ。
 頭にスが入ってる状態なんでなかなか思い出せん。いい例が見つかったら教えていただけませんか。
 しかし出版社もうまいこと企画を作るもんですなあ。最近、昔のヒーロー役の俳優さんが書いた本が多く、食傷気味で手が出てなかったんやけど、これは買うてしまった。なんせ「ハヤタからレナへ」ですよ。いやはや、親子やったとは。知らなんだ知らなんだ。

10月22日(木)

 体調が悪く、朝起きられず。午前中欠勤して昼から学校へ。だから、今日は短めに。
 朝、それでもなんか食わんと思い、ラジオききながら朝食をとる。
 ラジオでは「秋になったと実感すること」についてリスナーから電話をもらっている。そのなかに「コンビニで肉まんを売っているのを見て秋になったと感じましたが、肉まんというよりも豚まんと呼ぶ方がおいしいように感じる」というのがあった。
 関西人やね。関西では肉といえば牛やからね。例えば「肉うどん」を注文したら牛肉が乗ってくるもんね。「肉を買うてきて」と頼んだら、十中八九、牛肉を買うてくるよね。お好み焼きやったら豚肉と卵の入ってるのは「豚玉」というからね。「肉玉」とはいわんなあ。鶏肉は「かしわ」や。
 そやから「牛丼」という響きには関東を感じるね。関西ですき焼きというと牛肉に決まってるわな。「牛鍋」てないい方はしまへんな。「他人丼」なら牛肉と玉子とじの丼になる。
 大阪で「551の豚まん」を知らん人はもぐりといわれてもしかたないやろうというくらい有名な豚まんもある。これなんか「肉まん」というとイメージがわかない。
 食文化についてたいそうなことを知っているわけではないので、「肉」といえば「牛」か「豚」かというのがどのラインからかわからないけれど、なんで関西と関東でこう違うのかという理由を知りたいもんです。名古屋あたりではどうなんやろ。

 短め、のつもりが意外に長くなってしまった。私はほんまにしゃべりやね。

10月23日(金)

 今日の夕刊を読んでたら映画「ダイヤルM」の広告が載っていた。明日公開やそうです。たぶん見にいかへんと思うんやけど、実は雑誌の付録CD−ROMで予告編だけは見ている。
 この映画は言わずとしれたヒッチコックの「ダイヤルMを廻せ!」のリメイクなんやけど、現代風に凶器を携帯電話にしたりしてるようで、風情がないね。それよりも、主演女優ですわ。グウィネス・パストロウという女優は、予告編を見た限りではどうにも品がない。表情が好色に見える。あれはグレース・ケリーという稀代の上品女優がやったからこのなんというか深みにはまっていく怖さというようなものが際立ったわけで、いくらべっぴんでも品のない女優がやったんでは、それは表現でけんように思うんやけどね。予告編だけでこういうように断定するなといわれるかもしらんけど、だいたい元ネタを知ってるのに見にいくとしたら、どうしても比較した上でなお見にいきたいと思わせるものがないといかんのと違うやろか。予告編でそう感じさせへんのやからしかたないわな。
 品がないといえば、そのとなりのページに載っている「ローマの休日」かてそうですわ。これは「劇場飛天」のミュージカル公演なんやけど、映画でオードリ・ヘップバーンの演じた王女が大地真央ですわ。ファンの方には悪いんですけどね、今の大地真央という女優には私は品を感じへんのですよ。舞台やから映画とはまた違うんやろうけど、いきなり王女がソーセージをもって「バイエルン、ルンルルン」とか歌い出しそうでどうにもイメージが合わんね。
 「品」というのはもうこれはうまいこと言葉にでけへんね。かなり昔の角川映画「里見八犬伝」は最初、主役のお姫様は渡辺典子がやるというんで期待してたのに製作段階で薬師丸ひろ子に変わってしもた。お姫様役というのはそれこそ品の有無がものをいう。いまは「のんちゃんのり弁」の渡辺典子も当時は初々しい品があって、映画「伊賀忍法帖」のお姫様なんかははまり役やった。薬師丸ひろ子はどうにも庶民的で、実際映画を見にいったけど合うてなかったなあ。
 そういえば、そうとう大昔の東映時代劇には必ず「お姫様女優」といわれる人たちがいてなんともいわれん品を漂わせていたもんです。いうたら悪いけど、美空ひばりがお姫様を演じていてもちっともお姫様に見えへんのやね。もっともひばりのお姫様はお忍びで町に出て誰にもお姫様と気がつかれへんかったりしてるからちょうどええのかも。
 昔の映画のリメイクをする時に、一番難しいのはこの「品」かもしれへんね。今は、あんまり持って生まれた「品」のある女優というのはいてへんからね。

10月24日(土)

 街を歩いていると、そこら中にハンバーガーショップがあるわけなんやけど、マクドナルドの店先に「カルビMac」の幟が立てば、ロッテリアのポスターには「カルビリブ」が。ライバル2社でカルビ対決をしているらしい。時代はカルビ、みたいやね。
 いっとき各社で「てりやきバーガー」を競作していてそちらは定着したようですが。カルビは定着するんかな。
 ロッテリアは韓国系やからカルビというのはわかるけどマクドがカルビというのは意外やね。やっぱりニンニクやら豆板醤やらを混ぜたタレを使うてるんやろか。ハンバーガー屋から「はぁー」とか臭い息をさせた高校生たちが出てきたりするんかな。次の日は外出禁止。
 そのうち差別化を図って「骨付きカルビバーガー」が出たりしてね。「塩タンバーガー」「テッチャンバーガー」「ミノバーガー」なんかも出てくる。「テッチャンバーガー」やら「ミノバーガー」はくっちゃくっちゃ噛まんならんからすぐに消えそうやな。極め付けに「ユッケバーガー」が出てきたりする。生の牛ミンチに卵の黄味をぐっちゃんぐっちゃんとまぜたパティをバンズではさんだものが出てくる。これはうまかろう。一般性があるかどうかは別やけど。制限時間は90分。
 しかし、なんでカルビなんやろね。新作ハンバーガーもだんだんネタ切れになってきてるんかな。ちゃんとしたカルビやったらやっぱり焼肉屋で食べたいぞ。そういうところに縁のない層をあえて狙っているんでしょうが。ハッピーヘブンパラダイス「レイホー!」。

 私の加入しているプロバイダ、ジャストネットが会員のホームページの中から毎週お薦めのサイトを紹介する「波乗り賞」にこの「ぼやいたるねん」を選んでくれまして、おかげさまでアクセス数が急増、とうとう35000カウントをヒットしました。ありがたいことです。そちらからおいでの皆様、これからもよろしくお願いいたします。

 本日発売「S−Fマガジン」12月号の「ヤングアダルト」書評は私の番です。改めて読み返すと、またなんか挑発してるようなことを書いてるね。全国書店で発売中です。こちらもぜひご一読をよろしく。

10月25日(日)

 あー寝た寝たよう寝た。一日中寝たり本読んだりしてたんでネタがない。それやったら書くなと言われそうやけどわざわざ電話代を使うてここまでやってきたのに「なんや何も書いてへんやんけ、ケッ」とか言われたらどうしましょうと、気が小さい私は思うので、昨日のことを書く。「それやったら日記にならへんやんけ、ケッ」とか言われるかもしれへんけど、なに大丈夫。毎日書くから日記なのです。ほんまかいな。

 最寄りの京阪の駅の北側に「ビデオ販売」という看板を掲げた店ができた。こういう店では映画のビデオとかそういうようなものはおいてなくて、18才未満の人は買っても見てもいけないビデオをおいてあるのだ。
 近くにあるのは女子短大や女子高というような駅なのに、なんでそんな店を出すのか。学校は何をしているのかという気もせんでもないが、女子大生や女子高生はそんなところに寄り付きもしないからまあええんやろう。
 ちょっと入ってみる。高校生だとどきどきしてあたりを見回したりして、突如意を決したように入っていくのだろうが、おっちゃんは平気な顔して入るのだ。平台に見せてあるのは「全裸入社面接」とか「全裸教室」とか「全裸美容院」とかいうようなものでけったいな企画である。内容は推して知るべし、だろう。こんなんいくらすんのかな。4500円やて。高いぞおっさん。ほかに、アニメビデオもあって「人類補姦計画」とか「恥女の宅配便」とかどこかで見たようなキャラクターデザインのビデオだ。これも内容は推して知るべし、ですね。話のタネにアニメビデオを買うて見ようかなとも思うたけど、やっぱり4500円くらいする。高いぞおっさん。やめとく。
 で、この店は開店する前は何の店やったかというと「京染め、洗い張り、湯のし」という看板の店やったんです。京都でもこういうお店は景気が悪くてつぶれてるのに、こんなところで経営がなりたつんかいなと思うていたら、案の定つぶれてしもた。しかし、染めの店からアダルトビデオの店というこの落差は、ねえ。えらい極端で即物的で嫌ですな。これもご時世ですか。もっともこのエリアは宝石、貴金属の店がつぶれたら回転寿司の店になるようなところやから特に驚くほどのことではないけどね。

10月26日(月)

 今日、帰りに書店に寄って、ソノラマ文庫1冊架空戦記1冊相撲雑誌2冊初心者向けコンピュータ雑誌1冊をレジに持っていき、支払いをすませていると、次の客がアルバイトのお嬢さんに雑誌の束を手渡した。
 見ると、分厚くて難しそうなコンピュータ雑誌が2冊、そして、「S−Fマガジン」
 いやいや、私も長いこと「S−Fマガジン」の読者でありますが、本屋で「S−Fマガジン」を他の人が買うてるのを目撃したのはこれが初めてやね。
 その男性はあまり私から積極的にお友だちになろうかなと思わせる感じの人ではなかったし、だいたいいきなり「いやいやいや私はその雑誌で書評をしている喜多でありまするよ」などと話しかけられたところで相手は面喰らうに違いない。
 これが妙齢の美女やったら、私も意を決して声をかけたに違いない。そしたらむこうも「まあ、私、昔から喜多さんのファンやったんです」とかなんとか言うてくれてやね、立ち話も何ですからそこの喫茶店でも入りませんかというようなことを言うと、「それよりも私、おなかがすきましたの」。それやったらいい店を知ってますよ、てなことを言うてちょっと小粋な小料理屋のひとつにでも入るわね。今日あたりちょっと寒いから熱燗をきゅっとつけてもろうて、さしつさされついい感じになる。「あらもうこんな時間」、お近くですか、ああ、うちの近所やないですか、ついでのことやから送りましょう。すっとタクシーを呼ぶ。お一人でお暮らしですか、それは危ない、お部屋までガードしますよ。彼女の部屋に着いたら「ちょっとお茶でもいかがですか」、いやそんな、私はもうこれで。「そんなこと言わんと、私、一人で寂しいの」、それならいっぱいだけとか言うてあがると本棚には青背の文庫が並んでいて、おやこれはシリーズが一冊だけ抜けてますね、「つい買いもらしたんです。注文したら品切れやって」、それはいけません、今度私が塩澤に言うときましょう、「まあ、喜多さんて偉いんですのね」、それほどでもありませんよ。そんなこんなのうちにさっと彼女の手に私の手が触れる。「あ、いや、こんなところじゃ」、どんなところならいいんですか、「あっち」。彼女の指差す方向には寝室があって、私は彼女を抱きしめながらそちらの方向に行って。「ああもうだめすきにして」、なんていうことにやね。
「なんかアホが一人でぶつぶつ言うてるで、気色の悪い」
 これは失礼。
 しかしよく考えたら、私は今日は通夜の帰りで喪服を着てたんやった。黒いネクタイに数珠を持ってさしつさされつもないもんです。
 ともかく、京阪O駅前のP書店では3冊入荷されていた「S−Fマガジン」のうち2冊が売れてますよ。よかったね、(塩)編集長。

10月27日(火)

 本屋でくじを配ってると思ったら、今日から読書週間やそうです。
 最近は書店くじの末等はそのくじを100円だか200円だかの図書券として使えるという比較的ありがたいものになった。1等は海外旅行。本を買うて海外旅行にいけるとなればみんな本を買うであろうということなんかな。
 そんなことしたって意味はないと思うけどなあ。何もしなくても本を買う人は嫌というほど買うんやし、買わへん人は全然買わへんのと違うやろか。
 この書店くじなるものに意味があるとしたら、いつも本を買うてくれる人に対してのお礼というようなものであってほしいなあと思う。本をたくさん買う人は本を読むことが好きで毎日本屋に通って新刊やら旧刊やらを買いあさっているわけでしょう。そういう人がいるから本屋さんかて商売になってるわけなんやから、お礼の意味でくじを配ったってかまわんと思うんですよ。
 そやけど、そういう人にとっては「読書週間」なんか関係ないもんね。のべつまくなしに本を読みちゃちゃくっているわけやから、「今週は特にたくさん本を買うて読みまくるぞ」などとあらためて思うわけはないわね。それやったらCDショップでやってるようにサービス券を渡して一定金額を買うとスタンプを押してポイントがたまったら3000円分の図書券と交換できるとか、そういうサービスをしてくれへんものかな。
 本より手軽で面白いもんがたくさんあるという、このご時世に本をどかどか買う奇特な人をこそ本屋さんは大事にしてほしいと思うんやけど。
 再版制度とかいろいろあるからなかなかスタンプサービスなんかは実現でけへんのかもしれへんけど、1週間だけ書店くじを配るよりもよほど効果があると思うぞ。

 掲示板にアクセスしてもデータを送ってくれなくなった。いったい何が起きているのか、さっぱりわからない。レンタル先にメールで連絡してるんやけど、なかなか返事もないし相変わらずデータは送られてこない。書き込みはできるみたいで、試しに書き込んでみたけど読めないのだからデータがぶっこわれているのかどうかもわからん。もうしばらく待ってみるけど。せっかく楽しい書き込みでいっぱいになってきたのに……。

10月28日(水)

 今日は遠足。
 扇町にある「キッズ・プラザ」へ行く。
 子ども向けの科学館みたいなところやけど、全面に「遊び場」であることを打ち出してて遊んでいるうちに科学的なことに興味を持てるように工夫された施設なんである。
 例えば、でかいシャボン玉を作るコーナーがあると思えば、蟻の巣がうじゃうじゃとある一角がある。コンピュータルームもあれば絵本のコーナーもある。
 面白かったのは、自転車のペダル部分と足の模型を組み合わせたもので、足には空気圧で動くピストンが左右に二つずつついている。それぞれ手元のボタンを押すとピストン内に空気がたまるようになっている。つまり足の筋肉の代わりなんですな。四種類のボタンを的確に押すとうまくペダルをこいでチェーンが回るんやけど、押す順番が違うたり押し方が下手やったりするとペダルは動かない。また、逆まわりになることもある。なるほど、人間というもんは無意識のうちにうまいこと足の筋肉を使うてるんやなあと納得する。このボタンを押すのが難しい。私は逆まわりばっかりやってしまった。
 まあ、こんな感じで遊びながらいろんなことがわかるようになるという場所です。
 とにかく遠足できてる小学生が多い。子どもというのは集団でいるとこないにやかましいもんかいなと改めて感じる。中央にすべり台があって、頭を使うのが嫌な子どもはそこで遊んでいる。なるほど、遠足向きの場所やね。あれこれなぶって遊びたい子どもも、じっくり観察したい子どもも、モニタとマウスが大好きな子どもも、ただ体を動かしてたい子どもも、全てに対応できるようにしてあるもんね。
 おもろなかったのは映画です。人類滅亡のカギを握るクラゲの怪物と、人類という種の保存を目的とする大型コンピュータの対決というような趣向の話なんやけど、演出がクサイのとミニコンピュータがいきなりしゃべり出したりするような難儀な脚本のせいで子どもだましもたいがいにせえよというようなものになっている。え、そんな映画の批評をすることが間違いですか。そらそうや。
 とにもかくにも、けっこう大人でも楽しめる遊び場ですよ、いやホンマ。

10月29日(木)

 今、私は猛烈に興奮している。
 ロバのパンがうちの近所にきたのだ。先週、妻が「来てたよ」と言ってたが私はまだその時には帰ってなくて悔しい思いをしてたんだ。
 今日は、そろそろ夕飯という時に、妻が「ちょっとちょっと」と声をかけるので、なんじゃいなとベランダに出てみたら、あののどかなテーマ曲が「ポッカパッカポッカパッカ」と聞こえてくるやないですか。
「おっ、い、いってくるわ」
 この機会を逃さじと慌てて玄関に向かおうとする私に、あくまで冷静な妻は「お金もっていきや」と一言。
 ああよかった、間に合うた。おっちゃんが立っていて「みたらしか?」ときく。そうそう、ロバパンはみたらし団子も売ってたんやった。でも、私はあの蒸パンがもう一度食べたかったんや。
「むむむ、蒸パン下さい」。
 イモの蒸パン、小豆の蒸パン、ほしぶどうの蒸パンを買い求めた。昔のロバパンと同じや。なんかごっつ嬉しい。もう生きてロバパンの車に出会うことはあるまいと諦めていたから、ここにこうやってうまそうな蒸パンを目の前にすると感無量である。ああもうこれでいつ死んでもいい。
「また来週、木曜に来るしな」。
 れれれ、毎週来るんですか。まあ、ええわ。そのたんびに買うてロバパンの絶滅を阻止することにしよう。
 あの、なんで私がここまでロバのパン屋にいれこんでいるかは9月中旬の日記を見てください。ここまでいれこむつもりはなかったんですが、あちこちから情報をいただくうちに「もう一度ロバパンを食べたい」という思いがつのっていたところでね。
 なんでこのおっさんはたかがパンにこんなに興奮しているのであろうか、と思われた方もおいででしょうが、まあそういうわけなんです。
 で、手にいれた蒸パンやけど、夕飯をしっかりと食べたんでお腹が張ってしまい、まだ食べてない。なにしてるんやろね、私は。

10月30日(金)

 私はJリーグのことはよくわからんのやけど、なんでも横浜マリノスに横浜フリューゲルスが吸収合併されて横浜Fマリノスになるんやてね。藤子・F・不二雄やないんやから。Fマリノスというのはなんかけったいな名前やね。
 なんでもフリューゲルスの親会社がサッカーどころやなくなったんで手を引いたそうな。まあ、プロ野球でも身売りというのはよくあることやし、昔々はやっぱりそういうことがあったわけです。奇しくも同じ横浜のチーム、今年日本一に輝いたベイスターズがそう。
 2リーグ分裂後最初のシーズンにセリーグで優勝した松竹ロビンスは結局経営状態が悪くなって大洋ホエールズと合併し洋松ロビンスとなったけど、松竹が経営から抜けてもとの大洋ホエールズになった。現在のベイスターズであります。
 そういえば、パリーグ優勝の西武ライオンズもそういう過去がある。2リーグ分裂直後、西日本パイレーツと西鉄クリッパーズという2つの球団が福岡にでけたけど、西日本新聞社は早々に手を引いてこの2球団が合併、西鉄ライオンズとなったんですな。紆余曲折を経て西武ライオンズになるわけやけど。
 そう考えるとFマリノスかて30年後には優勝争いの常連になってるかもしれへんよ。
 もっとも、フリューゲルスのファンは複雑な心境やろうね。同じ横派を本拠地に持つチームからわざわざメジャーなマリノスではなくフリューゲルスのサポーターになることを選んだのに、一夜明けたらマリノスを応援せんといかんというようなことになるわけで。素直にマリノスの応援はでけへんやろうね。
 福岡出身のかつきよしひろさんに聞いた話やけど、ライオンズが埼玉に行ってからも応援していたファンが、ホークスが大阪からやってきたことによって「地元チームのホークスを応援する派」と「ライオンズの応援を続ける派」に別れておたがいに気まずくなったそうだ。
 フリューゲルスのサポーターも、そのままFマリノスを応援し続ける人たちとフリューゲルスの選手が移っていった先のチームを応援する人たちというように別れるかもしれへんね。それはそれで、競技場で顔をあわせた時は複雑な心境やろうね。
 昔々のロビンスのファンはどうやったんやろ。子どもの頃に「ロビンス友の会」に入っていたという父親にきこうかな。もっとも、父は筋金入りのタイガースファンで、私がタイガースファンになったのも父の教育のたまものなんやから。きいてもわからんやろなあ。

10月31日(土)

 レンタル先のサーバのせいで使用不能になっていた掲示板がなんとか復旧。ところが、アクセスした掲示板はまっさら! 掲示板のタイトルも背景の色もなんもなし。試しに書き込むとちゃんと記録されたけど、色の設定とかいちいちやり直さんといかん。しかも、うかつにもデータを保存してなかったのでこれまでの書き込みはぜーーーんぶ死んでしもた。
 ああ、とってもいい掲示板になってたのに……。
 おのれのうかつさを嘆いていたら、「京都SFフェスティバル」の実行委員長、岡田英之さんがブラウザのキャッシュより発掘して送って下さった。最後のほうに冬樹蛉さんと浅暮三文さんが書き込んで下さった分のみ欠落していますが、ほとんど原形が残ってるではないですか! ここにおいておきます。感謝の言葉もありません。奈良には足を向けては寝られません。幸いうちは奈良より北にあるので、ふだんから頭を南に向けて寝ているからずっと足は向けていなかったのだった。よかったよかった。
 しかし、データのバックアップをちゃんととっておくということがいかに大事かということを思い知らされたのであった。これからはちゃんと保存しておきます。岡田さん、ありがとうございました。

 夕方から散髪にいく。待ち時間の長いのは、それを見越して持っていった文庫本を読んだりしていたのでそれほど苦にはならんかった。それよりも、理容師のお兄さんのおしゃべりがすごい。床屋政談などと昔からいうが、景気の話から金融の話、政治の話に政治家の質の話とよくしゃべるよくしゃべる。
 私の顔に蒸しタオルがかぶせてあって返事もでけへん状態やのに、相槌を打たんならんような話をしてくる。
「銀行にも困ったもんですなあ、お客さん」
「むうむう」(タオルの下から返事をしているのです)
「あれ、バブルの時は自分らで金をまわしてたんが、今はその流れが止まってるだけですわなあ」
「むうむう」
 しかし、この理容師さんは非常に腕のいい人で少し髪がのびてもうっとうしくならないようなカットをしてくれるから、文句は言われへんのです。前回に床屋にいった時は、この店は休みやったんで初めて行く極めて料金の安い店で切ってもろうたんやけど、じきに頭がうっとうしくなってきた。腕の違いというものをまざまざと思い知らされたのだ。
 私がおしゃべりにつきあっていると気をよくしたのか、この理容師さんは顔をそる時にいつもはそらない鼻の頭までそってくれた。なにもそこまでしてくれんでも。整髪だけで1時間半もかかる。
 家に帰ったら、妻に言われた。
「あんまり遅いから、行き倒れてるんと違うかと思うたわ」。
 床屋の行き帰りに行き倒れたくないよ、私は。


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